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  • こんにちは。草津市会議員団です。

    2015年11月議会閉会日 安里まさし市議の反対討論原稿を掲載

    [2015.12.19] -[インフォメーション]

    日本共産党草津市議員団の安里政嗣です。

    議第103号「草津市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例案」、ならびに、請願第4号「国に対し『所得税法第56条の廃止を求める意見書』の提出を求める請願書」に関する各委員長報告に反対する立場から日本共産党草津市議員団を代表して討論を行います。

     

    まず議第103号について反対討論をさせていただきます。

    番号法、マイナンバー法が今年105日に施行され、私達国民に対してマイナンバーの通知が始まっております。

    マイナンバー制度は、国民一人ひとりに12桁の番号を付け「個人番号」によって、様々な個人情報をデータベース化して国が一元的に管理・利用するものです。政府は「行政を効率化し、国民の利便性を高めるため」と説明していますが、国民にとっては年に数回程度の手続きが簡素化される程度のこと、むしろ、膨大な個人情報を管理し、一人ひとりの所得などを名寄せしたり、照合することにより徴税強化や社会保障給付の削減の手段とされかねません。基本的に社会保障、税、災害対策の3分野で活用するとしていますが、9月3日にマイナンバー法改正が強行され、施行後3年を目途に預貯金の口座番号、特定健診や予防接種の番号付けなどにまで拡大されるとされました。健康保険証にも共通番号を導入する方針も検討されています。施行もされておらず、メリット、デメリットの検証もされていないのに、利用拡大を決める。大問題ではないでしょうか。国家が国民一人ひとりの財産から健康情報までを管理する国民管理社会が作られようとしている、そう思わざるを得ません。

     

     草津市においても、番号通知カードの各世帯への配達が進んでいますが、市役所に返送されている通知カードの数を担当課に伺いましたら、今週火曜日1215日時点で5208通に上っています。草津市の世帯数は11月末時点で55,100世帯。一割の世帯に番号が届いていない。その状態で新年より運用が開始される。市の窓口や担当部署も通常業務に加えて、このマイナンバーへの問い合わせ、返送されたカードの対応などで相当な負担がかかっている。政府の責任を丸投げし、過重な負担を地方自治体に押し付ける、その点からもマイナンバー法は大きな問題を抱えているのではないでしょうか。

     

     また、情報漏えいの懸念も大きな問題です。年金機構の125万件に及ぶ個人情報の流出事件、ベネッセなどの民間企業の情報漏えい事件も相次ぎ、先日は堺市で会計室の課長補佐が全有権者約68万人分の個人情報を無断で持ち出し、民間のレンタルサーバーに載せ外部に流出させるという、言語道断な事件まで起きています。こうした情報漏えいを防ぐ決定的なシステムの構築は難しく、意図的に情報を盗み取ろうとするものが様々な手だてを講じて狙っており、個人情報が「芋づる式」に引き出され、情報漏えい、なりすまし、不正利用などの犯罪や、プライバシーの侵害の危険が高まることは明らかです。これらの犯罪や事件は「マイナンバー先進国」のアメリカや韓国で日常茶飯事に起っています。そうしたなか、米国では不正利用を防ぐため利用範囲を狭める検討に追込まれ、イギリスでは導入2年で廃止を決めています。日本でも5%とほとんど普及しなかった住基カードでも、4年間で、103年もの、なりすましによる不正取得がおこっています。

     一度流出した情報は、様々な流通経路を経て売買の対象となり、取り返しのつかないものになってしまいます。不利益を被った国民への補償などの問題も明確ではありません。

     マイナンバー制度は、全ての自治体が管理する情報が対象となり、それを管理するのは、自治体の職員です。しかし、現在の制度の仕組みや情報管理を担当するのは、まだ一部の職員です。膨大な情報と複雑なネットワークシステムを管理監督することができるのか。共同通信が行った自治体へのアンケートでは、6割の自治体が、安全対策に不安があると回答しています。また、民間事業者に対しても番号の収集・管理・記載・廃棄の事務負担まで負わせようとしています。従業員だけでなく、その扶養家族のマイナンバーも管理する必要が出てきます。パソコンなどへのマイナンバー対応ソフトの購入やウィルス対策なども整える必要があり、中小・零細企業にとって過重な事務負担・経費負担を強いるものです

     

     G7、主要国首脳会議参加国の中で、日本のように国民全員に強制的に番号が与えられ、しかも、その番号を一生変えることができず、また、この番号を行政だけでなく民間事業者も利用する、という番号制度を導入している国は、一つもありません。

     マイナンバーに関わる施策の一つひとつが、国家による国民管理社会への道を開くものであり、国民に負担増、給付削減を押し付けるものであり、かつ、個人情報を流出させ、詐欺犯罪の温床になりかねない、との立場から、マイナンバー制度の利用拡大をすすめようとする議第103号に対して反対の意見を表明し、討論とさせていただきます。

     

     続いて、請願第4号について、採択すべき請願であるとの立場から、討論させていただきます。

     請願第4号は「国に対して『所得税法第56条の廃止を求める意見書』の提出を求める請願です。

     所得税法第56条(以下56条と呼びます)は「個人事業者と生計を共にする配偶者や家族が事業から受け取る報酬を事業の必要経費と認めない」というものです。経済の根底を支えている零細企業の経営は、大半が事業主と家族の労働で成り立っていますが、この家族従業員が果たす社会的役割を認めないどころか、権利を踏みにじり、経済的な損失を与えてきたのがこの56条です。人が働いたら、その働きにふさわしい給与を受け取ることは当然のことです。しかし、日本では個人事業者の配偶者(大半は女性)がどんなに働いても、その働き分は正当に認められていません。どの働きも価値を生み出す貢献をしているのです。しかし、妻の場合は専業専従者控除の86万円、その他親族の場合は50万円だけしか認められない。最低賃金にも満たない。業者夫人などの家族従業者は、自分の名前でのローンが組めない、保育所入所の際の所得証明が無い、交通事故の所得保障が専業主婦より低いなど、想像をこえる様々な不利益を被っています。この56条によって事業継承にも大きな影響が出ています。

     また、所得税法第57条では、一定の記帳義務を条件に、税務署から青色申告の承認を得た場合にのみ、家族従業員の給与を必要経費に算入することができますが、これは税務署長の判断でいつでも取り消すことのできる特例条項にすぎません。そもそも、実際に行われた労働について、青色か白色かという申告形式の違いで、給料を認めるか認めないとか勝手に判断すること自体、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的、又は社会的関係において差別されない」という憲法14条1項の理念に反します。

     また、56条制定時かた60年以上が経過した現在、会計知識の向上、パソコン会計の普及などで、青色、白色申告の間に実質的な差異は無くなってきており、2014年1月に全ての事業者に記帳と記録の保存義務が課され、記帳義務強化のための差別条項である56条の存立根拠も既になくなっています。

     

     56条は戦前の家父長制度の名残であり、男女共同参画社会基本法の趣旨からも受け入れがたい内容で時代遅れのものとなっており、国連・女性差別撤廃委員会でも56条が問題とされています。アメリカやイギリス、ドイツなどの諸外国では家族従業員の賃金経費が認められています。

     2014年6月、小規模企業振興基本法が成立し、国と全ての自治体に5人以下の小規模事業者への支援が責務として明確化されました。この法律は「持続的な発展」を応援することを目的としています。地域の隅々で経営努力を積み重ねながら、技術や技能、サービスを次代に伝えながら、日本経済を支え、活力を与えてきました。その役割を正当に評価し、事業の継承・発展を保障することこそ、行政の責務ではないでしょうか。家族経営や地域系税振興の点からも56条は廃止されるべきです。

     

     日本全国では400を超える自治体で「所得税法56条の廃止を求める意見書」を採択しています。多くの零細企業が経済や雇用を支えている草津でも廃止の声をあげるべきです。

     

     議員各位のご賛同を心からお願いいたしまして、請願第4号に賛成の立場からの討論を終わります。