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  • こんにちは。草津市会議員団です。

    2017年9月議会 同和終結求める請願採択求める久保秋雄市議の討論紹介

    [2017.9.29] -[インフォメーション]

    日本共産党草津市会議員団の久保秋雄です。先ほどの総務常任委員長報告のうち、請願第1号「隣保館など同和施策の完全な終結を求める請願」について、委員長報告は不採択とすべきものとの報告がありましたが、採択すべきとの立場で討論をおこないます。

     

    まず、9月15日に開催された総務常任委員会において、本請願をていねいに議論していただいたことに、紹介議員として感謝申し上げます。私も大変勉強になりました。委員会での審査を通じて、人権教育啓発や、人権問題の一部としての同和教育啓発について、記載が十分でない部分があることも認識いたしました。

     

    本請願は委員会審査でも申し上げた通り、過去に同和対策事業の対象となった地域にお住いの住民から提出されたものであり、草津市が隣保館をはじめとした同和施策を継続しているなかで、該当の地域住民から施策の廃止を求める要望が、初めて提出されたことの持つ重みは、非常に大きなものがあると考えております。控えめに考えても、現在、市が進めている隣保館事業や同和教育啓発を中心とした事業を、地域住民すべてが支持している訳でないことが明らかになったと考えます。

     

    1986年の「地域改善対策協議会 意見具申」は部落差別を生み出す新しい要因として4点について指摘しました。この意見具申は1996年の具申においても引き継がれ、同年7月には閣議決定もなされました。草津市においても、今年2月議会答弁において、意見具申の内容は「尊重されるべきもの」との答弁があったところです。

     

    地対協意見具申が指摘したのは以下の4点であります。

    ①ひとつは、国及び地方公共団体は、民間運動団体の威圧的な態度に押し切られて、不適切な行政運営を行うという傾向が一部にみられる。このような行政機関としての主体性の欠如が、公平の観点からみて一部に合理性が疑われるような施策を実施してきた背景となってきた。

    ②二つ目は、同和関係者の自立、向上の精神のかん養という視点が軽視されてきたこと。

    ③三つ目は、えせ同和行為の横行。

    ④四つ目は、同和問題についての自由な意見の潜在化傾向があること。同和問題について自由な意見交換ができる環境がないことは、差別意識の解消の促進を妨げている、決定的な要因となっている。民間運動団体の行き過ぎた言動が、同和問題に関する自由な意見交換を阻害している大きな要因、であること等を指摘しました。

     

    草津市議会 総務委員会に所属されている8名の委員の方々が、同和問題にかかわる本請願について、ていねいな議論をされたこと。このことは、地対協意見具申が指摘する「同和問題についての自由な意見の潜在化傾向」を乗り越えることにつながり、大きな意義を持ったと考えております。

     

    請願者・紹介議員は、人権啓発・教育、また同和教育啓発を否定しているわけではありません。同和教育・啓発は人権問題の一部としてしっかりと位置づけ、進めるべきというのが請願者の考えであります。その点について請願書の記載が不十分でありました。

     

    現在、部落差別が解消しつつあることは法務省の「人権侵犯」統計でも明らかですが、本市隣保館での人権同和問題に関するここ数年間の相談件数にも明確に現れています。市隣保館での同和問題の相談件数は平成28年度の報告だけを見ても、新田会館の4人、そのほか橋岡では相談がなく、また、西一と常盤東では相談がないので集計項目もないとのことです。

    このような状況を勘案するとき、今後は、同和問題は人権問題の一部としてしっかりと位置づけ、人権相談体制を強化していくことが適切ではないでしょうか。

     

    次に、昨年、異論があるなかで成立した部落差別解消推進法との関係について、委員会審査でもご意見がありましたので、一言述べさせていただきます。

     

    まずこの法律は議員提案によるものですが、部落差別を解消することを標榜しながら、何が部落差別か、部落差別の定義がなされておりません。法律の初歩的な要件が満たされておりません。国会での審査でもまともな答弁がない状況でした。部落差別の定義がないことは、特定運動団体による恣意的な拡大解釈や、他の人権問題を引き起こす恐れがあります。

     

    法案審議の過程では、インターネットによる部落差別が法制定の根拠とされました。しかし、龍谷大学 丹羽徹教授によると、法務省の統計で、2006年から2015年までの10年間の〝人権侵犯事件受理件数〟は多少の上下はあるものの、2万2千件から2万4千件で推移しています。そのうち同和問題に関するものは2006年の213件から2015年の126件へと漸減傾向にある、改善が進んでいると述べています。また、インターネットのプライバシーにかかわる問題は、この10年で7倍以上と飛躍的に増加していますが、しかしながらそのうち同和問題は一桁であり、ほとんどないと言ってもよい状況であります。特定運動団体の喧伝とは全く異なり、インターネットでの同和差別はほとんどないという統計結果が明らかにされています。

     

    また、国が認める同和団体は3団体ありますが、そのうち1団体は、この法律によって、かえって部落差別を掘り起こしてしまうとして法制定に反対しました。もう1団体も法の問題点を指摘しております。

    また、この法律には、①民間運動団体の行き過ぎた言動に対する対策を行うことや、②教育・啓発によって新たな差別を生むことがないようにすること、また、③調査の実施にあたって新たな差別を生むことがないようにするなどの付帯決議がついていますが、これは、日本共産党の仁比聡平参院議員によると、行政への特定運動団体の介入を心配した「自由同和会」が、友誼関係にある自由民主党に働きかけ、自由民主党サイドがまとめたものと報告されています。

     

    私は、部落問題は人権問題の一部としてしっかりと位置づけ、教育・啓発を進めたらよいと考えています。しかし、今の草津市の人権啓発は、投入されている予算額を含め、同和啓発に著しく偏重していると考えます。人権問題には障害者・男女・子ども・外国人・などなど多様ですが、どれが重大でどれが重大でないという区別は存在しないし、いずれも深刻かつ重大な問題です。ことさら草津市のように「同和問題をはじめとした人権問題」という表現、並びに同和予算額は、草津市の人権行政が部落問題に偏重していることの象徴的な表れと考えます。

    私は全体的に見れば戦後の民主主義教育のもと、これまでの国や自治体、民間団体の取組みによって、部落差別を許さない国民の意識は大きく前進し、大きな成果を収めていると考えています。

    隣保館をはじめとした、本市の同和施策の完全な終結、見直しを、着実に進めることを強く申し上げて、討論を終わります。